固有感覚
前回は感覚の中でも聞き馴染みのない平衡感覚について書かせていただきました。今回はこちらも身に覚えのない固有感覚について書かせていただきます。五感の中でも固有感覚は、触覚と区別することが難しいので、知識をつけて区別をしていただければと思います。
固有感覚とは、「筋肉や関節にある感覚のセンサー」のことです。人は動いているときはもちろん、止まっているときも、無意識に筋肉の収縮や間接の曲げ伸ばし具合を調節しています。そのときに、関節をどのくらい曲げているのか、筋肉をどのくらい張っているのかを感じるのが固有感覚です。
例えば、重さの違う二つの箱を右手と左手それぞれで持ち上げたとします。私たちは右手で持っているものと左手で持っているものがどちらが重いのかがわかります。これは持ち上げたときにの、腕の筋肉の張り具合の差を無意識のうちに感じているからです。また、目をつぶったままで「グー、チョキ、パー」などの形を作ることが出来るのも、関節の動きをイメージすることができるからです。
固有感覚は鈍感だとつまづきを感じます。例えば、細かな動作が苦手です。折り紙を折るときにイメージ通りにまっすぐ折ることができません。また、字を書くときに枠の中に文字を収めることが難しく、はみ出てしまいます。
そのような方は、細かい作業に自信が持てないため、自然と実施すること自体にストレスを感じてしまいます。なので、まずは自信を持たせてあげる必要があります。実施して取り組むことができたことを褒め、書き始めたことを褒め、とにかく承認をしてあげることが大切です。
また、道具や紙などに工夫を凝らしてあげることが大切です。はさみは本当に使いやすいのか、紙は見やすくその子に合った枠の大きさで設定されているのかなど考えることは無限にあります。
固有感覚は日常的に使う感覚にも関わらず、あまり認知のない感覚です。だからこそ、周りん人が知っていて、配慮をすることが大切です。力加減が調節できず乱暴な子も、固有感覚が原因の可能性があります。それを本当に「乱暴」という一言で終わらせてしまっていいのでしょうか?そうではなく、どのようにしたらこの子は力加減を調節することができるようになるのかを考え、手段を提案できることが本当の教育なのではないでしょうか?
生きづらいと思っている人が少しでも救われますように
阿部航平
参考文献
発達の気になるこの感覚統合遊び 川上康則
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