ビジョントレーニング③(視空間認知)
前回は眼球運動の具体的な内容について書かせていただきました。今回は、見る力の残り二つの「視空間認知」と「目と体のチームワーク」について書かせていただきます。今回も前回同様難しい内容になっているのでまずは知識として持っておくという程度で構わないと思います。
前回お話した眼球運動で物体を見て脳に入力する段階までいきました。次はその入力した情報を脳で情報処理をする段階になります。それが視空間認知です。視空間認知は、空間の一部ではなく全体像を把握する働きがあります。ただの線や点だけの情報が、一つの形としてイメージすることができるのは、視空間認知という能力があるからです。例えば、見たい対象と背景を区別したり、形や色を弁別したり、空間的な位置を把握したりします。
もし、視空間認知に困難がある場合、背景と見たい物体の区別ができないため、信号が何色なのかを判断することができずに、赤にも関わらず渡ってしまい、危険な目にあってしまいます。また、人や物体とぶつかってしまうケースも非常に多く、自転車や車と物体が背景と区別できないため、目の前に飛び込んできたものをとっさによけることができません。また、視空間認知は上や下、前や後などの空間的な位置を把握する能力です。ですので、困難がある場合は物体との距離を正確に把握することが難しく、取りたいもの取れなかったりします。
学校では、視空間認知に困難があると、不器用でおっちょこちょいと判断されることが多いです。私が見ているお子さんでも、ジェンガなどのゲームの際に強く押しすぎてしまってすぐに倒したり、ボールを使った遊びなどでとることができずに頭にぶつかってしまったりします。もちろんすべてが視空間認知が原因かどうかはわかりません。しかし、このような知識があることで、いくつかの仮説を立てて検証することができます。その結果を指導する人が判断をして、対策を練ることができれば良い指導ができると思いました。
生きづらいと思っている人が少しでも救われますように
阿部航平
参考文献
リタリコ発達ナビ ビジョントレーニングとは
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