抗精神病薬
前回は発達障がいの薬について、その中でも中枢神経刺激薬について書かせていただきました。今回は、抗精神病薬について書かせていただきます。
前回でも書かせていただきましたが、あくまでの発達障がい系の薬というのは、完治をさせることを目的にしているのではなく、症状を最小限に抑えるためのものだということを覚えておいていただければと思います。
抗精神病薬というのは、ドーパミン系のニューロンの病的活動を抑制することです。ドーパミンは、日常的な快感を感じた時に脳内に分泌される脳内神経伝達物質です。
抗精神病薬を使用することで、脳内のドーパミン・レセプターをブロックし、神経伝達の流れを止めます。つまり、脳内の興奮状態を通常の状態に戻します。脳内が冷静状態では効果はほぼないとされています。あくまでも感情を落ち着かせる効果だということを認識していただければと思います。
主な使われる病気は、統合失調症です。統合失調症は、ドーパミンの異常分泌のために幻覚や幻聴が見えてしまう病気のことです。その際は、神経伝達の流れを止めることがかなり有効です。また、興奮状態が長く続いてしまう注意欠陥多動性障害(ADHD)の方もこの薬が効果的なケースがあります。
もちろん、抗精神病薬は薬なので、副作用があります。大きいものは、「代謝に対して影響がある。」ということです。その結果身体の変化が4つ起こる可能性があります。
①体重増加
②ふらつき
③眠気
④便秘、排尿困難
です。
抗精神病薬の中でもいくつも種類があるので、それぞれの薬で副作用が出るものや出ないものがあるので、必ず確認してから服用することが大切です。
薬に関しては、発達障がいや2次障がいの保護者さんはかなり悩む部分が多いと思います。飲んでしまって、逆に副作用に苦しむケースがあります。そのため、どのタイミングでどのくらいの量を服用するのが良いのかを考えることが非常に難しいです。まず最初に病院で薬をもらうタイミングは、本人が苦しさを自覚していて、それがどうしても抑えきれないような状況で薬をもらうということが大切だと思います。なので、保護者が周りが病院に連れて行ったり、薬をもらいに行ったりするのは、個人的には反対です。また、副作用の内容を保護者や周り、本人が理解して使うことが大切だと思います。本人が苦しさを自覚できていると仮定すると、副作用を理解できる可能性があるので理解を促すことが大切だと思います。
生きづらいと思っている人が少しでも救われますように
阿部航平
参考資料
元住吉こころみクリニック 抗精神病薬の効果と副作用
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