心理検査②
前回は心理検査の中でも、発達検査の新版K式発達検査について書かせていただきました。今回は知能検査のウィクスラー式知能検査について書かせていただきます。
知能検査とは「主に物事の理解、知識、課題を解決する力といった、認知能力を測定するための心理検査の一つ」です。知能検査は、Inteligence quotient(IQ)の値を使用することが主です。今回のウィクスラー式知能検査もこのIQを使った検査方法の一つです。
ウィクスラー知能検査は、個人の知能(IQ)を測るもので内容は4つからなります。
①言語理解
②知覚推理
③ワーキングメモリ
④処理速度
です。
①の言語理解は、言語の理解力、表現力、推理力、思考力を測るテストです。つまり、言葉をどれだけ操れて、受け取れるかです。
②の近く推理は、非言語による推理力や思考力、目からの情報で情報を把握する能力、空間認知力です。日常生活で言い換えるとするのであれば、空気を読む力、配慮がする力といってもいいかもしれません。ものを組み立てて作ることが早い人は、空間認知力が高い人でしょう。
③ワーキングメモリは、注意や集中、耳からの情報を、短時間記憶したり情報操作する力です。言い換えると、短期記憶力です。
④処理速度は、視覚的短期記憶、目からの情報を早く正確に処理する力です。これは書いてある通りの意味です。
これら4つの能力を得点による分類をし、個人内で差があるかどうかを見る。これを総合して、IQを測る。得点による分類は、「平均(90-109)」を中心として、上下に「10刻み」で定められている。 「特に低い(69以下)」「境界線(70-79)」「平均の下(80-89)」「平均(90-109)」「平均の上(110-119)」「高い(120-129)」「得に高い(130以上)」という数字で評価されます。
対象の年齢によってテストの名前が変わるのも特徴です。
WPPSI-Ⅲ(幼児):2歳6ヶ月~7歳3ヶ月
WISC-Ⅳ(児童): 5歳0ヶ月~16歳11ヶ月
WAIS-Ⅳ(成人):16歳~90歳11か月
という風に分かれますので受ける際は、十分ご注意ください。
日本ではIQを測る文化はあまりありません。どちらかというと偏差値のイメージが強いです。しかし、勉強では計ることのできない分野がウィクスラー式知能検査にはあります。これも発達検査と同様に、自分の強みと弱みを理解することができるという点で受けることは大切だと思います。
生きづらいと思っている人が少しでも救われますように
阿部航平
参考文献
リタリコ発達ナビ 知能検査
リタリコ発達ナビ ウィクスラー式知能検査
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